記憶がない?忘れっぽい?境界性人格障害の解離状態

境界性人格障害の本人には記憶がないけど「自分では覚えていないけど手首に傷がある」「誰かに激しく怒ったらしい」という事実を知って、後で自分でも驚く、ということがありあす。

一時的に記憶がなくなっているのです。

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記憶がない?境界性人格障害の解離

境界性人格障害では、衝動的にした自分の行動を覚えていないことがあります。

後で周りの人から言われてその事実に気づき、記憶がないので自分でも驚く、ということが境界性人格障害の人の中には起こることがあります。

記憶がなくなるのは、自傷行為(リストカット)や、誰かに怒りの感情をぶつけたり、興奮状態での衝動的な行動などが多いようです。

他にも、携帯電話の履歴を見て、何度も電話していたり、メールを大量に送っていたり、記憶がないことに自分で気がつき驚くこともあります。

これらは「解離」という心の状態であり、主な原因は精神的なストレスと考えられます。

現実感がない、自分が自分でないように感じることも

また、完全に記憶がない状態ではなくとも、意識がもうろうとした状態で、目の前の出来事が現実と感じられなかったり、自分が自分でないように感じることもあります。

境界性人格障害の人の中には、不安定な感情になり、衝動的な行動が増えて、日常生活が混乱状態になっていると、こうした「解離状態」をおこす場合があります。

また、魂が抜けたように、自分の姿を遠くから見ているような感じになった、という例もあります。

解離性障害とは?

精神的なストレスが大きくなりすぎたとき、心を守るために、現実から自分の心を切り離す、ということがおこります。

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現実認識、感覚がまるで遠くにいってしまったように感じ、これを「解離」といいいます。

この解離が日常生活に支障が出るほどになると「解離性障害」になります。

解離性障害の種類について

解離性障害には次のような種類があります。

①解離性健忘
本人にとって重要な出来事だが、ストレスやトラウマに関係する過去の一部を忘れてしまう。物忘れや認知症とは違い、健忘したこと以外の記憶は正常な状態にある。

②解離性遁走
過大な心理ストレスから逃れるために、急に失踪するが、本人は失踪した事実もきっかけについても覚えておらず、記憶がない。

③解離性同一性障害
時と場所に寄って、別の人格があらわれて、交互に人格が入れ替わるが、別の人格の時の記憶がなく覚えていない。多重人格ともいう。

④離人症性障害
現実感がなくなり、自分の心や体から遊離いて傍観者のように感じる。

解離に似ている「鏡像現象」

解離に似ている症状で、鏡像現象があります。

これは、鏡に映った自分に本当の自分の生命が吸い取られていくように感じ、現実の自分は死んでしまったのではないか、という例があります。

現実感がなくなった、という意味では解離症状に大変よく似ていますが、この体験には別の意味がありました。

死にたい気持ちが強く荒れていた心が鏡の中に吸い取られ、その体験を話すことで、本来の本人の生命が蘇った、心の掃除だったという解釈です。

この体験を話した時、本人自身も自分を客観視できるようになっていて、実際にその体験以降、彼女の状態は回復へと向かっていったのです。

◆この記事は、パーソナリティ障害臨床の第一人者である岡田尊司先生(岡田クリニック院長)執筆・監修の「ササっと分かる境界性パーソナリティ障害(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。

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