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【境界性人格障害】母親が心理的に追い詰められてしまう危険も

境界性人格障害(ボーダーライン障害)

ボーダーラインは母親の育て方が原因?

境界性人格障害(ボーダーライン障害)の子どもがいる場合、子ども本人も、父親も、医療関係者でさえも、「母親のせい」と言われてきました。

確かに、以前では「境界性人格障害」といえば親子関係の問題、特に母親との問題だと言われてきた経緯があります。

ボーダーライン障害の患者本人も「親のせい」と育て方を責めることも多く、そのたびに母親は責任を感じて苦しんできているのです。

母親を責める言葉の具体例

・親のせい
・育て方が原因
・幼児期の愛着が不十分
・親の役割を果たしていない
・子どもとの信頼関係がない
・母親として失格

育て方だけが原因ではない

境界性人格障害(ボーダーライン障害)の要因のひとつに、育て方の影響はたしかにありますが、発症原因はそれだけではありません。

いじめの問題、同性同年代の友人関係の問題、思春期のずれなど、境界性人格障害(ボーダーライン障害)の発症については様々な角度からとらえることが必要です。

「母親のせい」「子育てが原因」と母親に責任をおしつけるだけでは、母親を孤立させ心理的に追い詰めてしまうことになってしまいます。

その結果、母親の視がを狭くなり、萎縮させ、境界性人格障害の子どもの対人操作性を高めてしまうリスクが高まります。

リストカットの原因追求は本人を追い詰めてしまう

周りの大人は目につく行動だけにフォーカスしてしまいがちですが、必ずしも、リストカット=境界性人格障害というわけではありません。

また、リストカット(自傷行為)や大量服薬などの原因や理由について知りたがる人が多いのも事実ですが、原因追求は本人を心理的に追いつめることになるので注意しましょう。

ボーダーライン障害は育て方ではなく発達の問題

境界性人格障害(ボーダーライン障害)は、育て方の問題ではなく、発達の問題です。

本人のパーソナリティの成長が不十分なまま、年齢的には大人になってしまい、社会に出ていかなくてはなりません。

そうすると、異性や仕事上の人間関係において問題が表面化してしまうのです。

境界性人格障害(ボーダーライン障害)における課題は、様々な状況に応じてどのように落ち着いて振る舞うか、患者本人と一緒に考えていくことが大切です。

◆この記事は、パーソナリティ障害臨床の第一人者である岡田尊司先生(岡田クリニック院長)執筆・監修の「ササっと分かる境界性パーソナリティ障害(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。

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