境界性人格障害の治療、医師に不信感を持ちやすい理由や心理について

境界性人格障害(ボーダーライン)の治療において、医師に不信感を抱き信じられない、主治医を次から次へと替える、といった例もよくみられます。

境界性人格障害の人は、治療についても自分でよく調べていたりすることも多く、医師の診断や治療方針がはっきりしていなかったり、自分の予想と違っていたりすると、医師に不信感を持つことも少なくないのです。

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医師への不信感が原因で治療が長続きしない

医師を信頼していたのに急に不信に陥る、とった手のひらを返すような不安定さは境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の特徴のひとつです。

ですが、医師に対してコロコロと評価が変わるため、治療が長続きしない原因になっていることも少なくありません。

次々に主治医を替えては、最初は信頼するが不信感を持つ、ということを繰り返してしまいがちです。

境界性人格障害(ボーダーライン症候群)は人間関係の障害です。

境界性人格障害の治療では、医師との問診やカウンセリングが中心になりますが、そこでも人間関係の問題が生じやすいのです。

「医師を信じられない」不信感のきっかけは?

境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人の中には、頭の回転も早く、カンがいい人も多く、自分で本を読んだり、ネットで調べたり、と治療についてもよく知っていることがあります。

医師に対して不信感を持つきっかけ自体は、次のようにささいなことが多いようです。

①病名を言ってくれない

境界性人格障害の人は、自分で自分のことを「ボーダーラインだ」とはっきり言う人もかなりいるようです。

また、その自己診断ははずれていないことも多いのですが、医師側にもすぐに診断できない事情があります。

最初すぐに境界性人格障害(ボーダーライン)だとわからないことも多く、似ている精神疾患や合併症も多く、正確な診断にはある程度に時間がかかるのが一般的です。

ほかにも、病名を本人に告知することによる悪影響についても考慮し、様子をみていることも考えられます。

しかし、境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の人からすれば、そんな医師側の事情を考えるわけもなく、「すぐに診断してくれないからこの医師は信じられない」と極端に思い込んでしまうのです。

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②私を診察したくない、とわかる

境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の人は、見捨てられることに関して非常に敏感で、相手の気持ちや感情の変化にすぐに気付きます。

診察においても、医師のささいな態度の変化で「見捨てられた」「拒否された」と感じて、主治医に不信感をもつケースもあります。

医師からすれば、患者はひとりではないし、私生活もあります。ですが、あまりに手がかかる境界性人格障害患者に対して、微妙に感情が変化することもあることでしょう。

境界性人格障害(ボーダーライン)の人は、そのささいな変化を敏感にキャッチするのです。

③治療してくれない、と思い込む

境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の治療において、患者本人は医師との親密な関係を期待しやすい傾向があります。

医師と患者との間にある一定の距離を保ち、現実での問題だけに対応する方が回復につながることも少なくありません。

しかし、境界性人格障害患者本人にとって「治療」とは、医師が自分の思い通りに動いてくれることあり、ただ話を聞くだけでは治療ではない、と思っています。

そのため、主治医に対して「治療してくれない」と不信を深めるケースもみられます。

④なにもアドバイスをしてくれない

境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の人は、泣いていたらい「かわいそう」となぐさめて欲しい、困っていたら「なんとかしましょう」と助けて欲しい、と強く思っています。

ですが、共感や同情は治療に役立ちません。医師はそのことをわかっているので、なぐさめたり、助けたりしないのですが、その医師の対応に不満を感じる境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の人もいます。

⑤診察を待たされたくない

境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の人は、自分だけは特別扱いして欲しい、しっかり話を聞いて欲しい、という気持ちが過剰といえます。

診察予約をしたのに待たされた、問診途中に電話が入った、前の人が予定通りに終わらない、と医師に不信感を持つこともあります。

境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の人は、自分のことだけしか考えず、他の人や周りの状況が見えなくなってしまうのです。

◆この記事は、パーソナリティ障害臨床の第一人者である岡田尊司先生(岡田クリニック院長)執筆・監修の「ササっと分かる境界性パーソナリティ障害(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。

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