日本では社会的認知度が低い大人のADHDの問題点について

ADHDというと「発達障害」という言葉から、子どもだけのものとまだまだ思われがちのようです。

ですが、実際には成人の中にもADHDの人は一定の割合でいるため、今度は「大人のADHD」についてもより関心が高まっていくことが望まれます。

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社会的認知度が低い大人のADHD

以前と比較すると、ADHDの認知度が社会的にも徐々に高くなってきたこともあり、大人のADHDについても少しずつ知られるようにはなってきています。

とはいえ、まだまだ大人のADHDの認知度は低い、というのが現状です。

1988年にアメリカの医学関連の専門誌で「55歳のADHDの男性の例」という論文が発表されたことがあります。日本にくらべると精神医療分野において5年も10年も進歩しているといわれているアメリカでさえ、発達障害は子供だけであって、大人のADHDということは珍しいことだったようです。

この論文は日本にも和訳されたのですが。翻訳を担当した日本の精神科医は「タイトルが間違っているのではないか」と思うくらい、日本では精神科医の間でも大人のADHDが知られていなかったのです。

日本はADHDへの対応が遅れている?

20年前と比べるとADHDの認知度はあがり、一般社会にも知られるようになってきてはいます。

とはいえ、九州のとある子供の発達障害センターの小児科医は「私の県の多くの精神科医は、子供のADHDにおいても薬による治療は問題外と思っている」という言葉もあるようで、まだまだADHDについての理解度は低いのが実情です。

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専門家の間においても、子供のADHDに関しての理解度がまだまだ十分とは言えない状態なので、大人のADHDへの理解はさらに不十分と想像されます。

治療薬リタリンの使用禁止

大人のADHDについての社会的認知度が低いため、成人のADHDは苦労しやすい環境といえます。

2008年には、一部の濫用者が要因となり、ADHDの治療薬としても使われていたリタリンが使用禁止となりました。そのため、ADHDの不注意症状が強く、職場や自動車の運転に危険がためリタリンを服用していた多くの成人のADHDの人が、リタリンを服用できなくなり困ってしまった、ということもあります。

ADHDの子どもはリタリンの代わりにコンサータを服用することができるようになりましたが、成人になってから治療を開始したADHDの人がコンサータを服用することは認められていませんでした。

日本でのADHDの理解度はまだまだ低い

日本でのADHDについての理解度はまだまだ低いといわれています。

近年、発達障害関連の本が多く出版されるようになり、またインターネット上でもADHDに関連する様々な情報サイトがありますが、その中でも「成人のADHDでは副作用が多いので薬物療法は行わない」と書かれていることがあったりと、欧米に比べると日本でのADHDについての理解の温度差はかなりあるといわざるをえない状態のようです。

今後、日本国内において、専門家だけでなく、教育関係者をはじめ、広く一般的にも、発達障害(ADHD等)の認知度があがり、正しい知識や情報が広がり、理解度が深まっていくことが期待されます。

◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修の「図解よくわかる大人のADHD(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。

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