ADHDの原因は脳の前頭前野の機能障害?神経伝達物質の働きの低下も

発達障害であるADHDの原因は、まだハッキリと解明されていませんが、脳機能の一部に要因があるとされています。

脳の部位、前頭前野や尾状核、神経伝達物質の働きの低下の影響で、ADHDの特徴である行動特性があらわれるといわれています。

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脳の特定部位の機能障害がADHDの原因?

ADHDがある人の脳の機能を検査してみると、一般的な人とは脳の働きに違いがあることがわかっています。

ADHDの場合、脳の特定部位の働きが活発でないことが分かっていて、その脳の機能障害がADHDの症状と関係があるのではないと考えられています。

ADHDに関係すると考えられている脳の特定部位には、前頭前野と尾状核があります。

脳の前頭前野の機能障害?|ADHDの原因

ADHDの人は、脳の前頭前野の部位の血流量が平均よりも少ないというデータがわかっています。

前頭前野は、脳にインプットされた情報を処理して、状況や場面に適切な行動や反応を示したり、注意や感情、行動をコントロールする機能があります。

ADHDの場合、この前頭前野の機能に障害があり、それが要因となってADHDの特徴的な症状である不注意、集中力が続かない、感情のコントロールができない、ワーキングメモリーの弱さがあらわれるとされます。

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尾状核の機能が弱い?|ADHDの要因

また、ADHDの人の脳画像の検査では、尾状核という部位が平均よりも小さい傾向があるという報告があります。

尾状核は、人の運動や行動をスムーズにするための調節機能をつかさどっている脳の部位で、前頭前野とも深い関係があります。

ADHDの人は、この尾状核の機能が弱いため、スムーズな行動が困難になっていると考えられています。

ADHDと神経伝達物質

神経伝達物質もADHDの各症状と関係があるとされています。

ADHDの様々な行動特性の原因には、脳内での神経伝達物質が活発に働いていないことも関係していると考えらえているのです。

ADHDと関係が深い神経伝達物質には、ドーパミンやノルアドレナリンがあり、ドーパミンは学習や作業活動、ワーキングメモリーを働かせることにおいても重要な役割をもっています。

ドーパミンの働きが活発でなくなると、作業遂行が困難になり、注意力を低下させることになります。

ドーパミンの働きが低下する原因は?

脳内の神経伝達は、ドーパミンなどの神経伝達物質が神経細胞から放出され、隣の神経細胞の受容体に取り込まれることで実行されます。

そして、放出されたドーパミンの中で受容体と結びつかなかったものは再利用のため、再び神経細胞に取り込む仕組みがあるのですが、この仕組みが過剰に機能してしまうと、放出されたドーパミンが受容体と結びつく前に再吸収されてしまい、神経伝達が滞ってしまいます。

ADHDのうち3割以上の人が、このドーパミン再取り込みが過剰に機能しているタイプである、という研究報告があります。

そして、神経伝達がスムーズに行われなくなり、不注意や多動性、衝動性などのADHDの症状があらわれると考えられます。

◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修の「図解よくわかる大人のADHD(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。

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