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【ADHDの合併症】反抗挑戦性障害と行為障害、強迫性障害の治療について

ADHDの併発障害(合併症)の中に、反抗挑戦性障害、行為障害(素行障害)、強迫性障害があります。

今回は、それぞれどのような治療方法がおこなわれるのか、をテーマにポイントをまとめたいと思います。

反抗挑戦性障害の治療について

親や学校の教師などまわりの大人に対して反抗的な態度をしたり、怒りの感情をぶつけたりする行動は、「こっちを向いて」「気づいて欲しい」という子どものSOSのメッセージとも考えられます。

そうした子ども本人の気持ちを親や教師が受け止め、受容的な対応をとることができれば、子どもは精神的に安定していく傾向が多いようです。

不安感情が強いケースでは、病院を受診してカウンセリングや薬物治療が必要になる場合もあります。

反抗挑戦性障害の段階で、周囲の大人の適切なサポートや支援によって本人の反抗心がしずめられるようでであれば、行為障害への重症化を防ぐことができます。

行為障害(素行障害)の治療方法は

ですが、反抗挑戦性障害の段階で、子どものSOSに周囲の大人が気づかず、拒絶的また批判的な対応をとりつづけていると、行為障害(素行障害)へと発展してしまうおそれがあります。

行為障害は、小学校高学年から高校生にみられ、反社会的で破壊的な行動が目立つようになります。

子どもが非行グループや反社会的集団と関わるようになると、周りの大人による介入が難しくなります。

行為障害に発展してからの対応は通常の医療機関では難しく、少年院で行われる「矯正教育」が必要になってきます。

行為障害の治療は難しいことが多く、できるだけ早い段階で適切な対応をとることが望まれます。

強迫性障害の治療方法は

強迫性障害は、神経伝達物質セロトニンの働きが不十分になることが発症原因のひとつといわれています。

神経伝達物質セロトニンはうつ病発症とも関係しており、セロトニンの働きが低下すると不安は強くなるとされています。

強迫性障害の治療方法の中心は薬物治療です。主に抗うつ薬が使用され、セロトニンの作用するSSRIの効果が高いとされており、症状に応じて抗不安薬や抗精神病薬が処方されるケースもみられます。

認知行動療法による強迫性障害の治療も

また、強迫性障害の治療において、認知行動療法が薬物治療と並行しておこなわれることもあります。

患者本人の不安になりやすい思考パターンを改善し、強迫行為をしそうな状況において、行動せずに不安感情を静めるトレーニングなどが行われます。

強迫性障害の治療は、一般的には2年以上かかり、比較的長期間の治療になりますが、適切な治療をおこなうことで、半年ほどで症状は改善へと向かうようになります。

◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修の「図解よくわかる大人のADHD(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。

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