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【境界性人格障害の心理】なぜ自殺未遂や自傷行為(リストカット)をするのか?

境界性人格障害(ボーダーライン)の人は、心の中に虚しさや孤独感、不安感、寂しさといったネガティブな感情が深く根付いています。

その絶望感ともいえる気持ちは、人や物ではなかなか埋まらず、衝動的に自殺未遂や自傷行為(リストカット等)をしてしまうケースも少なくありません。

自傷行為(リストカット)や自殺未遂も多い境界性人格障害

リストカット等の自傷行為を繰り返すため、精神科を受診してみたら、ほとんどの場合「境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)」と診断されるようです。

「ボーダーライン」という名称を耳にしたことがある人もいると思いますが、境界性人格障害の「境界性」は英語で「ボーダーライン」と表記することから、境界性人格障害をボーダーラインと呼ぶ人も多いのが日本の現状です。

ボーダーライン(境界性人格障害)の人は、毎日がつらく、生きづらさを強く感じています。そして、将来もずっとこのつらい状態が続くものだ、と思っています。

自殺未遂や自傷行為をおこす理由としては、深い絶望感や自己否定感、自尊心の低さも関係しています。

自殺未遂やリストカット(自傷行為)、大量服薬(オーバードーズ)などの問題行為をおこすボーダーラインの人は、決して少なくありません。

自殺未遂や自傷行為(リストカット)をする心理とは?

なぜ、境界性人格障害(ボーダーライン)に人は、自傷行為(リストカット)や自殺未遂といった問題行動をしてしまうのか。

その理由や原因について、本人もよく分かっていない場合が多くみられます。

一言では言い表せない、様々な感情や心理が関係しているのです。

ボーダーライン(境界性人格障害)の人の心理状態を考察してみると、次のような感情が渦巻いています。

【強い自己否定感】
・自分のことが嫌い
・自分の存在を消したい
・自分のような人間はいらない
・生きていても仕方がない

【絶望感】
・楽しいことなんて何もない
・もうどうでもいい
・人生に絶望した
・何か重大事件を起こしそう
・もうダメだ

【寂しさ・孤独感】
・私の苦しさを誰もわかってくれない
・友達も恋人もいない
・さみしくてたまらない
・不安や恐怖がつらい

自殺企図・自傷行為・自己破壊行為の意味と違いについて

自殺企図、自傷行為、自己破壊行為は、よく似ている言葉ではありますが、それぞれ意味が若干違ってきます。

例えば、自傷行為をするときは死のうとは思っておらず衝動的、というようなものです。

自傷行為と自殺企図(自殺未遂)との区別、自己破壊行為との違いは判別が難しいものです。

ただ気をつけておきたい点は、自傷行為をする人は自殺率が高くなる傾向がある、という点です。

次に、自殺企図・自傷行為・自己破壊行為の意味と違いについて、ポイントをまとめてみました。

自殺企図(自殺未遂)の意味とは?

自殺企図は、死ぬことを明確に考えている。事前に準備をしたり、家族など周りの人に見つからなように行動したり、助けられないような確実に死ねる方法を選ぶ。

自傷行為・リストカットの意味とは?

リストカットを代表例とする自傷行為は、自分の身体を傷つけるが、積極的な死への意図はない。冷静に考えて判断したり、行動を抑制したり、という理性的な思考ができず、衝動的に自傷行為をおこす。リストカット以外にも、壁に頭をぶつける、手首だけでなく足や腕を刃物で傷つける行為も含まれる。

自己破壊行為の意味とは?

自己破壊行為の代表的な例は、アルコールや薬物乱用、性的逸脱、過食など。本人は自分自身を傷つけようとは思っていないが、結果的かつ間接的に自分の体を傷つける行為。一時的に気分が興奮状態、高揚感を得るためなど衝動的に行動を始めるケースが多く、繰り返して依存症になってしまうことが多い。

自傷行為(リストカット)が原因で死ぬ例もある

境界性人格障害(ボーダーライン)に多い自傷行為・リストカットですが、本人の心理としては「死ぬ」ということを明確に考えているわけではありません。

ですが、リストカットで手首を深く切って血管も傷つけたり、薬を大量に飲みすぎたりと、衝動的におこした自傷行為が致命傷になってまい、死に至るケースも稀ではありません。

境界性人格障害(ボーダーライン)と診断された人のうち、5〜10%の割合で自殺に至るという報告もあります。

自傷行為が原因で救急搬送された人数は年々増加しており、その数は年間5万人以上とも言われています。

◆この記事は、パーソナリティ障害臨床の第一人者である岡田尊司先生(岡田クリニック院長)執筆・監修の「ササっと分かる境界性パーソナリティ障害(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。

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