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アドラー心理学を簡単に「勇気づけ・5つの理論・共同体感覚」

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前回の記事や、前々回の記事で、アドラー心理学における「ライフタスク」や「ライフスタイル」について紹介しました。

その中で、いくつかの課題も見えてきたと思いますが、アドラー心理学では、その課題を解決していくための術も用意されています。

まずは、アドラー心理学の全体像について、簡単にポイントをおさえてみましょう。

「勇気づけ」はアドラー心理学の核

アドラー心理学の中でも最も重要な考え方のひとつが「勇気づけ」です。

この「勇気づけ」は、ほめることや、励ますこと、の意味ではありません。

アドラー心理学における「勇気」とは、「困難を克服する活力」のことです。

ですので、「勇気づけ」とは「自分や他者に、困難を克服する活力を与えること」の意味になります。

「勇気づけ」については、また別の記事で詳しく説明したいと思いますので、今回はおいておきますね。

この「勇気づけ」を実行していくために必要なのが、次のアドラー心理学の5つの理論です。

アドラー心理学の5つの理論

①自己決定性
人間は運命を創造する力がある。
自分で今後の行動を決定することができる。

②目的論
人間が何か行動を起こすには目的がある。
過去の原因よりも、未来の目標を重視して行動する。

③全体論
人の心は内部で矛盾していない。
人間はみんな「かけがえのない存在」である。

④認知論
人は誰でも、自分の主観で物事を見る。
→自分の主観を疑うことで、物事の捉え方を変えていきます。

⑤対人関係論
人が行動するときには、常に相手役がいる。

アドラー心理学が目指すのは「共同体感覚」

アドラー心理学が最終的に目指しているのは「共同体感覚」です。

共同体感覚については、詳しくは別の記事でお伝えしたいと思います。

今回のところは、「共同体感覚とは、仲間のつながり、絆の感覚」というイメージで理解しておいてください。

例えば、家族や友人、職場の人などへの、信頼感や貢献感、が共同体感覚になります。

アドラー心理学においては「共同体感覚を持つこと」が理想的な状態と考えられています。

そのために「勇気づけ(自分や他者に困難を克服する活力を与えること)」が必要になります。

勇気づけと共同体感覚はセットです。

勇気づけができれば、共同体感覚を持てるようになり、それは「幸せ」な状態といえます。

自分とまわりの人が共同体感覚を持つことができるように勇気づけができれば、アドラー心理学を理解し、実践できていると言えます。

「勇気」はアドラー心理学の核

アドラー心理学では「勇気」が幸せへの第一歩になる、と考えられています。

アドラー心理学における「勇気」の意味は、無茶な挑戦や無謀な行動のことではなく、ひとことでいうと「困難を克服する活力」のことです。

「勇気」は英語では「courage」で、語源はラテン語の「cor=心臓」と言われています。

心臓は人間の身体の活力をつかさどる大切な臓器です。

つまり、勇気は活力得るために必要不可欠なもの、と考えられます。

アドラーの弟子のひとり、ルドルフ・ドライカースによると「やるきを引き出す教師の技量」の著書の中で、「私たちは人生の課題を出会い、それに立ち向かう勇気が必要」であり、「勇気づけがなくては、成長することも、所属感を持つこともできない」と言っています。

アドラー心理学においては、困難を克服する活力「勇気」がスタートであり、その「勇気」を与える「勇気づけ」がとても大切である、と考えられています。

もし、あなたが今、生きることに対してネガティブな気持ちになっていたり、精神的な疲労がとれない状態だとしたら、それは「勇気が欠乏している状態」と言えます。

勇気がある人は、自己受容している

アドラーの弟子であるドライカースは、勇気を「自己信頼の具体的なあらわれであり、自分自身の能力をかたく信じることから生まれる」と言っています。

もっと簡単な言葉でいうなら「勇気がある人は、自己受容している」ということができます。

自己受容とは、自分を肯定的にとらえる能力や姿勢を意味する言葉で、「自尊心」とも言えます。

うぬぼれたり、慢心したりすることは、自己受容ではありません。

自己受容することは、自分の長所や強みだけでなく、欠点や弱点をも客観的に受けとめること、と言えます。

勇気がある人は、自分を受容していて、自分のことだけでなく、他人も認めることができ、「I’m OK, You are OK(私もOK、あなたも OK)」の姿勢ですね。

勇気がある人は自己受容でき、人間関係においても自然と協力的になるため、良好な対人関係を築きやすいのも特徴的です。

勇気がある(自己受容している)人の特徴

・自分が自分の味方になれる
・自分の能力に確信がある
・リスクを冒すことをいとわない
・自立心がある
・自分の欠点や弱点を客観的に認めている
・自分の感情をコントロールできる
・失敗や挫折を学習の機会と考える
・将来について楽観的
・自分と他者の違いを認める
・協力的な対人関係

勇気がない(自己受容していない)人の特徴

・自分が自分の味方になりにくい
・自分を無力だと感じやすい
・リスクをおかすことに消極的
・自立心に欠け、依存的
・人のせいにする
・自責の念が強い
・自分の感情をコントロールできない
・失敗や挫折を致命的と考える
・将来にたいして悲観的
・自分と他者の違いを認めない
・対人関係において競争的、回避的

まとめ

・アドラー心理学の核は「勇気づけ」

・勇気づけとは「困難を克服する活力を与えること」

・アドラー心理学の5つの理論
①自己決定性
②目的論
③全体論
④認知論
⑤対人関係論

・アドラー心理学が最終的に目指すのは「共同体感覚」

・共同体感覚とは「仲間のつながり、絆の感覚」のこと

・勇気がある人は自己受容している

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