スポンサーリンク
スポンサーリンク
目次
考えがコロコロ変わる病気?境界性人格障害(ボーダーライン)の心理は?
突然急に怒り出す、態度や考えがコロコロ変わる、なども、境界性人格障害(ボーダーライン障害)の特徴的な症状です。
まるで性格がコロコロ変わるかのように、態度が急変して怒り出す境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人は、どのような心理状態なのでしょうか。
考えがコロコロ変わるのは、境界性人格障害(ボーダーライン障害)が原因?
境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人に見られる特徴てきな症状の一つに「考えがコロコロ変わる」がみられます。
ついさっきまでは好意的で信頼していたのに、何があったのか急に怒り出す、というのも、典型的な境界性人格障害(ボーダーライン障害)の症状です。
まるで手のひらを返すかのように態度がコロコロ変わるのにたいして、まわりの人は理解できずに振り回されることも少なくありません。
巻き込まれるのは助けようとする人
境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人の考えがコロコロ変わる、態度が急変する、急に怒り出す、といった問題行動に振り回され、トラブルに巻き込まれやすいのは、実は「助けようとする人」です。
また、援助者がボーダーライン障害本人と同じような気持ちになり、他の人を一緒になって責めてしまうケースもあります。
境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人の態度や考えがコロコロ変わるきっかけは、ほんのささいなことである場合が多いです。
まわりの人には何がきっかけなのか分からないことも多く、それゆえ振り回されてしまうことにつながります。
恋愛依存の対象になることも
境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人は、依存傾向があります。助けてくれる相手によっては、恋愛感情が一気に大きくなり「理想の人だ」と恋愛依存状態になることも少なくありません。
激しく責める対象になることも
助けようとしていた人が攻撃対象になってしまうことも多く、境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人から罵倒され、責められてしまうことも多いです。ひどい人と言いふらされたり、私は被害者だと訴えるケースもあります。
また、境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人からすると、一緒に巻き込まれている人は「いい人」で、そこから出て行く人、離れていく人は「悪い人」ととらえます。
そのため、攻撃対象となった人が距離をとろうと離れていくと、さらに攻撃が激しくなる、ということもあり、これも「退行」の一種です。
情緒不安定で支離滅裂な境界性人格障害
感情が不安定、考えがコロコロ変わる、性格がコロコロ変わる、こうした行動は境界性人格障害(ボーダーライン障害)にみられる特徴的な症状です。
好意的だったのに急に怒り出す、そして落ち着いた後でも謝らない、何もなかったかのように近づいてくる、と、まわりの人には理解不能なものです。
まわりの人にとってみれば何でもないことであっても、境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人にとっては、何かのきっかけで見捨てられ不安が高ぶり、それげ原因となって態度がコロコロと変わってしまうのです。
ですが、まわりの人にはそれが理解できず、境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人は徐々に信頼を失っていきます。
職場など、まわりの人の気持ちは?
職場など、境界性人格障害の人の周りにいる人たちは、次のような気持ちを感じることが多いようです。
①信用できない
②近寄りたくない
③見境いのない人だ
④自分勝手すぎる
⑤ちゃんと仕事をしろ
⑥私が悪いの?
①信用できない
職場の同僚や上司、部下などは、考えがコロコロ変わる境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人に対して、「この人はいったいどういう人なの?」と信用できないと感じることも少なくありません。
②近寄りたくない
意味不明で急に怒り出す境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人に関わると、トラブルに自分も巻き込まれそうになるので、できれば近寄りたくない、関わりたくない、と周囲の人は思いがちです。
③見境いのない人だ
境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人は、依存傾向が強く、依存する相手を見つけるとあからさまにすり寄っていきます。そういった姿を見て、まわりの人は「見境いのない人」という印象を持つことも多いです。
④自分勝手すぎる
困っているというから親身になって相談に乗ってあげても、急に怒り出したり、ささいなことで態度が変わったり、理解できないまわりの人は、境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人を「自分勝手すぎる」と思うものです。
⑤ちゃんと仕事をしろ
境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人は、仕事をそっちのけにして、人の顔色をうかがったり、突然起こり出して周囲の人を巻き込んだり、人間関係でのトラブルが多くなる傾向があります。そのため、職場の人は、境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人に対して「ちゃんと働けよ、何をしに職場に来ているんだ」と不快感を感じる例も多くみられます。
⑥私が悪いの?
境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人の怒りはとても激しいものです。そのため、怒られたり、責められたりするまわりの人の中には「私が悪いの?」と落ち込んだり、悩んでしまう人もいます。
境界性人格障害 (ボーダーライン障害)の心理状態は?
考えがコロコロ変わる、急に怒り出す、と不安定な感情も境界性人格障害(ボーダーライン障害)の特徴ですが、どのような心理状態なのでしょうか。
実は、境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人が態度を急変させたり、情緒不安定になる原因は「見捨てられたくない」という不安な心理です。
その見捨てられ不安が原因となって、心理的には「退行(幼児化)」の状態になっていると考えられます。
言うなれば、境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人たちは、まわりの人たちと同じように、年相応に振る舞うことができない、といえます。まるで幼い子供になったように、駄々をこねたり、怒ったり、すねたりしている、のです。
境界性人格障害の人もふつうに悩んでいるだけ
境界性人格障害の人の行動や振る舞いだけをとらえると、まわりの人からすれば意味不明で理解不能ですが、見方によっては心理としては「ふつうに悩んでいるだけ」と考えられます。
ただ問題なのは、苦しみや悩み、不安を、年齢相応の表現ができず「幼児化(退行)」しているという点です。
境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人をサポート、援助しようとするときは、幸せになりたい、ふつうの大人になりたい、という気持ちを持っていることを忘れないことも大切です。
◆この記事は、パーソナリティ障害臨床の第一人者である岡田尊司先生(岡田クリニック院長)執筆・監修の「ササっと分かる境界性パーソナリティ障害(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。
スポンサーリンク