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ADHDと併存しやすいLD学習障害と広汎性発達障害について

ADHDは発達障害の中でも、併発障害(併発・合併症)が多いといわれています。

ADHDと併発が多い発達障害として、LD学習障害と広汎性発達障害があります。

ADHDとLD学習障害の併存が多い

ADHDの人の中には、LD学習障害を併存している割合が多いといわれています。

LD学習障害は、英語で「Learning Disorder 」といい、日本語に訳すと「学習障害」となり、頭文字の「LD」と呼ぶこともあります。

LD学習障害はADHDと同じく発達障害のひとつで、知的障害がないが、読む・書く・計算する・推論する能力のどれかに著しい困難が生じ、主に次の3つの障害からなります。

①読み障害(Reading Disorder)
②書く障害(Disorder of Written Expression)
③算数障害(Mathmatics Disorder)

LD学習障害の発症割合とADHDとの併存率は?

LD学習障害はその名の通り、学習に困難があらわれる障害であり、小学生になってから親や先生に気付かれるケースが多いようです。

LD学習障害の発症割合は、7%〜8%程度といわれており、1クラスに1〜2人はLD学習障害の子供がいると思われます。

また、ADHDとLD学習障害を併存する確率は30%から50%程度という調査データがあり、比較的併発しやすい発達障害となっています。

LD学習障害の症状と特徴について

LD学習障害には次の様な症状がみられるのが特徴です。

・文字や文章を読むのが苦手
・文字を書くことが苦手
・算数の計算や図形の理解ができない

LD学習障害はADHDなど他の発達障害と同様に、脳の機能の一部に障害があることが原因となり、症状があらわれると考えられています。

教科書を読めない、字を逆に書いてしまう、作文が書けない、計算できない、間違えが多いなど、小学校での勉強面において困難が生じてしまいます。

ADHDとの併存が多い広汎性発達障害(ASD)について

ADHDとの併存が多い発達障害に、広汎性発達障害(ASD)があります。

広汎性発達障害は、現在では自閉症スペクトラム障害(ASD)と呼ばれるようになってきていて、自閉症、アスペルガー症候群、高機能自閉症が、広汎性発達障害に含まれています。

自閉症は、言葉の遅れ、特定のものへのこだわり、対人関係が難しいの3つの症状が特徴となり、高機能自閉は、自閉症と同じ特徴がみられるが知的障害がないものを指します。

またアスペルガー症候群は、言葉の遅れがなく、逆に知能!Qが高くなるようです。

広汎性発達障害の発症割合は?

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害:ASD)の発症割合は、一般的には1%程度となっています。

ですが、ADHDがある人では、広汎性発達障害の発症率は5〜6%程度となり、併存率が高くなっています。

専門家の間では、ADHDと広汎性発達障害は似ている症状があり、実高機能障害としては共通していることが高い併存率の要因となっているといわれています。

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)の症状と特徴について

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)では、次の様な症状が特徴的です。

・対人コミュニケーションが苦手
・人の気持ちがわからない
・こだわりが強い
・パニック状態になりやすい

広汎性発達障害の人は、良好な人間関係を築くのが苦手で、対人関係でトラブルを起こしやすかったり、人と関わることを避けていつもひとぼっちでいるケースも少なくありません。

また、自分のやり方、手順に強くこだわり、行動パターンを変えることを極端に嫌う傾向があります。身体感覚が過敏なこともあり、嫌なことがあるとパニックを起こしてしまいやすい傾向もあります。

◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修の「図解よくわかる大人のADHD(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。

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