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目次
臨床心理学と精神医学との違いは何?医療との関係は?
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「臨床心理学」とよく似た言葉で「精神医学」があります。
どちらも「人の心」に関係している学問であることは何となくわかると思いますが、具体的にどのようなちがいがあるのでしょうか。
また、臨床心理学と医療との間には、どのような関係があるのでしょうか。
そこで今回は、「臨床心理学と精神医学との違い」と「医療と臨床心理学との関係」について、簡単にまとめてみたいと思います。
精神医学とは何?
医学の中で、心を扱う学問として「精神医学」があります。
精神医学と臨床心理学はよく似たイメージを持たれることが多く、混同されやすいのですが、両者の間には明確な違いがあります。
精神医学は、精神障害や精神疾患などの心の病気を扱うもので、薬を使う等の医学的な治療を行うことで、問題の原因を取り除くことを目指します。
臨床心理学との違いは?
それに対して、臨床心理学は、心の病気(精神疾患や精神障害)の問題を解決すべき病気としては扱わない点が大きく違います。
例えば、症状があらわれていても、それを受け入れたり、共存するなど、その人の人格の一部として健やかに生活することができる人もいます。
逆に、目に見える症状という形としてはあらわれていなくても、サポートを必要としている人もいます。
後者のような人が「問題を受け入れ、自分の人生をよりよく生きられるように、心理的なサポートをする」のが臨床心理学なのです。
臨床心理学と医療との関係について
昔の医療現場では、医師中心の治療が一般的でした。
臨床心理士や看護師、社会福祉士などは、医師を補助する役割(パラメディカル)として位置付けられていました。
ですが、現在では、医療の形も少しずつ変化してきており、現在では、医師中心の治療から患者中心の医療にうつってきています。
患者が納得するまで医師が「インフォームド・コンセント(説明と同意)」を行う等、患者の意志を尊重するようになってきました。
そうした流れに伴って、臨床心理士、看護師、社会福祉士などは、医師を補助する役割から、患者への「援助」を担当する専門職へと変わりつつあります。
医師などの治療者中心という考え方から、患者中心の治療や援助という考え方に変化し、臨床心理学と医療との関係も変化してきているのです。
まとめ
・精神医学は「心の病気を治すこと」を主な目的とする
・臨床心理学は「本人のよりよい人生のために心理的なサポートをする」
・医師中心の医療から患者中心の医療に変化するとともに、臨床心理学と医療との関係も変わってきている
この記事は、次の文献を参考に記事編集しています。
参考文献
・臨床心理学を学ぶシリーズ(東京大学出版会)
・よくわかる臨床心理学(ミネルヴァ書房)
・テキスト臨床心理学(誠信書房)
・臨床心理アセスメント入門(金剛出版)
・徹底図解 臨床心理学(新星出版社)
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