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臨床心理士は胡散臭い?科学的&実戦的モデルの重要性について

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「臨床心理士って何か胡散臭い」とか「臨床心理士は意味がない」という声も、少なからずあるのが日本の現状です。

そうした「うさんくさい」「意味がない」というイメージを払拭していくためにも、臨床心理学&臨床心理士においては、科学的であることが重要なのです。

そこで今回は、臨床心理士の基本理念のひとつ「科学性ー実践性モデル」についてポイントをまとめたいと思います。

臨床心理士の基本理念とは?

臨床心理士の基本理念について、1949年のアメリカでのボルダー会議で次のように述べられています。

臨床心理学の専門家である臨床心理士には、「心理学研究者としての科学的な態度」と「臨床心理士としての実践的な態度」の両方が求められます。

これを「科学者ー実践者モデル」といい、臨床心理士の専門性をあらわす基本理念となっています。

臨床心理士には科学的な観点が大切

日本の臨床心理学においては、「科学」という言葉には無機質なイメージが強いこともあり、「心」を扱う臨床心理学には合わない、と考えられることもあります。

臨床心理学は、人間の心理的な問題や悩み事を解決することを目的とする学問です。クライエントの主観性や自己を尊重することが大切です。

ですが、臨床心理士がサポートする対象は、クライエントの主観的な悩みだけではありません。

逆に、臨床心理士が主観性にこだわってしまうと、臨床心理士の活動内容が独りよがりになってしまうリスクもあります。

そうならないためにも、臨床心理士には、科学的な視点(問題を客観的にとらえ、分析する視点)が大切になってくるのです。

科学性と実践性の両立が重要

臨床心理士にとって重要となる「科学性」について。

この「科学性」は、自然科学的な研究の意味だけではありません。

事実を客観的にとらえ、仮説を立てて検証し、合理的に進めていく考え方や技法も含まれます。

具体的には、クライエントの問題解決のアセスメントと介入の場面においても、臨床心理士は科学的な視点に立つことが重要なのです。

しかし、今日の日本の臨床心理学では、科学性と実践性の両立ができている、とは言い切れません。

日本は、臨床心理士を育成するプロセスにおいて、研究に関連する訓練カリキュラムがまだまだ不十分な場合が多く、科学者としての姿勢を身につける必要性が軽視されがちです。

これからの日本での臨床心理学は、そうした数々の課題をクリアしていくことが求められています。

臨床心理士の科学的な態度

臨床心理士には、アセスメントや介入といった実践現場においても、科学的な視点を持つことが求められます。

・アセスメントの方法は適切か
・不足していることはないか
・アセスメントの結果を科学的に判断する
・適切な介入方法か検証する
・介入方法の有効性を検証する

この記事は、次の文献を参考に記事編集しています。

参考文献
・臨床心理学を学ぶシリーズ(東京大学出版会)
・よくわかる臨床心理学(ミネルヴァ書房)
・テキスト臨床心理学(誠信書房)
・臨床心理アセスメント入門(金剛出版)
・徹底図解 臨床心理学(新星出版社)

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