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【ADHD】留年や退学が多い、失業率・離婚率が高い、長続きしない

ADHDの人は、学校生活においても留年や停学、退学となる例も少なくないようです。

また、仕事に関しては休職率、失業率が高いとされ、家庭生活では離婚率が高くなるといわれています。

留年や退学が多いADHD

ADHDがある人の退学率は平均よりも高いという調査結果があります。

アメリカでの調査では、高校生の退学率の平均は15%程度といわれており、ADHDの学生の退学率は33%とかなり高くなっています。

また、ADHDの人が高校を留年する割合は約50%、退学率は約35%となっていて、仮に大学に入学しても卒業できる割合はたった5%程度という報告があります。

アメリカ国内でのADHDの調査データがそのまま日本に当てはまるわけではなく、あくまで参考の数字にはなりますが、ADHがある人の学校生活は決してスムーズではなく、何かしらの問題やトラブルが起きやすいことが予想されます。

ADHDの理解者、支援者の存在が大切

ADHDの行動特性のため、他の生徒と同じようには授業に集中できず、課題の提出が遅れたり、忘れ物が多くなってしまったり、成績もあまり良いとは言えず、先生から怒られたり、低評価を受けてしまうことも少なくありません。

さらに、友人関係においても、対人関係もトラブルや問題が生じてしまうと、ADHDの人の学校生活は重苦しいものになってしまいます。

そのため、ADHDの行動特性を十分に理解し、苦手なところをサポートしてくれる支援者の存在が大切になります。

留年や退学にまではなっていないけど、本人がADHDに気づいていなかったり、周りの人の理解が得られず、環境が整えらえていないのが実情です。

転職率も高く、転職回数が多いADHD

ADHDがある人の場合、一般平均よりも転職が多いといわれています。

10年間のうちに転職した回数の調査では、ADHDがない人では転職回数が3〜4回だったのに対し、ADHDがある人は5〜6回と多くなることがわかっています。

また別の研究では、一定期間において定職についていた人の割合は、平均の72%に対して、ADHDの人は52%となっています。

転職回数が多くなると、失業している期間も長くなりやすく、安定した生活につながりません。

失業率も高いADHD

ADHDがある人は失業率が高い傾向があり、ADHDのない人の2倍以上になっているという結果もあります。

ADHDの行動特性が要因となり、与えられた仕事をうまくできなかったり、職場での人間関係でトラブルを起こしたり、と会社内で問題に直面する機会も多くなりがちです。

その結果、転職したり、失業したりすることにつながっていると考えられます。

転職や離職を繰り返すと収入も安定せず、ADHDがある人は、そうでない人と比較して収入が低いという調査結果もあります。

ADHDの人は離婚率が高い

ADHDの人は離婚率が高いというデータもあり、一般平均に比べて約2倍の離婚率の高さになっているといわれています。

また、離婚率が高いだけでなく、ADHDだと婚姻期間も短いことが報告されています。

相手の話が聞けない、頼まれごとや約束を忘れてしまう、暴言や暴力をふるう、といった問題行動を起こしてしまうと、夫婦関係も冷めやすく、信頼関係も壊れてしまいます。

しかし、ADHDの問題行動が、本人の努力や心がけではコントロールできないものであると、本人も周りの人も十分に理解し、しっかりとした対策を練ることで多くのトラブルを避けられるができるのです。

◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修の「図解よくわかる大人のADHD(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。

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