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大人のADHDの問題点とは?うつ病や不安障害などの二次障害も

大人のADHDでは、子供のADHDとは違い、合併症や二次障害があらわれやすい傾向があります。

そこで今回は、大人のADHDの問題点、合併症や二次障害についてポイントをまとめたいと思います。

心理的ストレスがたまりやすい大人のADHD

子供のADHD、小学生くらいだと、本人とADHDとの付き合いはまだ10年前後ですが、大人のADHDの場合、何10年にもなります。

ADHDの不注意、多動性、衝動性などの行動特性のまま、これまでの人生を過ごしてきたことを考えると、本人が感じてきた苦悩や心理的ストレスがかなりのものだったと想像できます。

今でこそ、ADHDの存在は社会的に認知されるようになってきていますが、以前はADHDの認知がされず、周囲の無理解や誤解、偏見のため、つらい思いをした人も多いことでしょう。

そのため、大人のADHDでは、ADHD以外に別の障害を併発し、合併症による困難も抱えてしまっているケースも少なくありません。

うつ病や不安障害も|ADHDの二次障害

子どものころからADHDの症状のせいで、周りの人や社会に受け入れられない経験が多いことに悩み、二次障害として、うつ病や不安障害を発症する例もあります。

大人のADHDにおいて、二次的な障害は特に注意深く着目する必要があります。

長年にわたっていろいろな精神的ストレスをためこんでいる ADHDの人の中には、表面的にあらわれる症状がうつ病や不安障害であり、その背景にあるADHDの存在が隠れてしまっているケースもあるからです。

本人を心理的に悩ませている原因がADHDであることに気づかず、表面的な症状(うつ病や不安障害)の治療だけをおこなっても、根本的な問題は解決せず、本当の悩みはいつまでたって解決できないことになってしまいます。

行為障害や反抗挑戦性障害も|ADHDの二次障害

遺行為障害や反抗挑戦性障害は、ADHDの二次障害の代表例ともいえます。

ADHDの特性のため、先生や親から叱られる経験が多く、子供の自尊感情が傷つけられた結果、大人に反抗的な態度をとる反抗挑戦性障害、犯罪など社会規範に反する行動をとる後遺障害に発展してしまうケースもあります。

【参考】自尊感情とは?

自尊感情とは、自分自身に対して「価値がある」と認める気持ち、自分のことを大切に思う感情のことです。

英語では「self-esteem(セルフエスティーム)」といい、日本語では自尊感情、自己肯定感と訳されます。

自尊感情は、子どもの頃から育まれる心理感情で、周囲の人(特に親)からの深い承認があると自尊感情が高まるといわれています。

自尊感情が高いと、新しいことにチャレンジする意欲や、様々な事柄に興味や関心を向けることができます。また達成感や満足感を得られやすくなり、自分に対しても他人に対しても寛容で受容的になれるともいわれています。

大人のADHDの方が深刻な問題に?

子供のADHDも、大人のADHDも、ADHDという発達障害の本質は変わりませんが、周りの人が見る目には違いが生まれてきます。

子供と大人では生活環境や社会での役割も違い、ADHDの不注意、多動性、衝動性は、子供であれば受け入れてもらえたとしても、大人の場合はそうもいきません。

成人としての一人前の責任能力、管理能力、一定の成果を得ることが求められ、それができないと、仕事での停職や退職、失業につながり、家庭でいえば離婚になってしまうこともあります。

本人の人生に不利益を生じるリスクで考えると、子供のADHDよりも大人のADHDの方が深刻な問題を含んでいるといえます。

◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修の「図解よくわかる大人のADHD(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。

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