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大人のADHDの診察は何科?診断に時間がかかり、専門医や病院も少ない?

発達障害であるADHDは、子ども限定の発達障害ではなく大人にも当てはまるケースもあります。

以前は日本でもADHDの理解度や認知度が低かったため、ADHDであることに本人もまわりの人も気づかずに成人している例も少なくなく、大人のADHDについての関心度も高まってきています。

大人のADHDの診察は何科?

子どものADHDやアスペルガー症候群など、発達障害の存在が以前と比べると理解も広がりつつあり、専門医も増えてきています。

ですが、大人のADHDなど、成人の発達障害をしっかりと診断できる医療機関はまだまだ少ないのが日本の現状です。

ADHDをはじめとする発達障害の診断や治療を専門的にできる医師の数はまだまだ十分とはいえませんが、大人の診察は「精神科・神経科・心療内科」を受診することになります。

家の近くや地域近辺で発達障害の専門医が見つからない場合には、都道府県や政令指定都市に設けられている「発達障害者支援センター」に連絡すれば相談することもできますし、関連機関の情報提供も行われています。

大人のADHDの診断は難しい?時間がかかることも

そもそも、ADHDの診断は専門家であっても簡単なことではなく、短い時間の診察で正確に判断することができるわけではありません。

ADHDであることを診断するために必要な情報を集めるために、一回だけの診察ではなく、数回にわたって受診が必要になるケースもあります。

また、ADHDと深い関連性があるといわれる他の発達障害(LD学習障害や広汎性発達障害など)の場合、ADHDと症状が似ていて区別が難しいことも多く、一度ADHDと診断されても、後になって診断名が変わることもあります。

また、子どものときに「ADHD」と診断されていても、成長して大人になってから「アスペルガー症候群」と診断された、という実例もあります。

ADHDやアスペルガー症候群などの診断名にふりまわされるのではなく、社会生活を送る上で必要な治療、適切な対応について、医師や専門家からアドバイスを受けることに重点を置くようにしましょう。

大人のADHDの診察時のポイント

大人のADHDの診察では、子ども時代の行動や言動の特徴などの情報(生育歴)が大切になります。

病院を受診するときには、小学校のときの通知表、担任の教師のコメントが載っている連絡帳、親の日記など、幼少期の様子がわかるようなものを持参するようにしましょう。

何の準備もせずに受診して、医師との問診をするだけでは、普段感じている悩みを困り事、相談したいと思っていたことを忘れてしまう可能性もあります。

大人のADHDかも?と思い病院を受診する際には、今何に困っているのか、悩んでいるのか、メモに書いて持って行くとよいでしょう。

また、職場の上司や同僚からの意見、学校の教師の評価や感想なども加えることができればスムーズな診断の助けになります。

◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修の「図解よくわかる大人のADHD(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。

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