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【ADHDの悩み】劣等感や自己否定感、コンプレックス、うつ病など二次障害も

ADHDの人は、不注意、衝動性、多動性の特性による影響で、子どもの頃から周りの大人に叱られる体験が多くなりがちです。

その結果、心理的ストレスもたまりやすく、自己嫌悪に陥ってしまうこともあります。

劣等感やコンプレックス、自己否定感が強くなりやすいADHD

ADHDの人は、子ども時代からずっと親や先生などまわりの大人から叱られたり、注意される体験が非常に多くなる傾向があります。

その影響もあって、ADHDの人は劣等感やコンプレックスを抱きやすく、自己否定感が強くなってしまい傾向もあります。

「私はダメな人間だ」「誰からも必要とされていない」などと悩むことも多く、そういったネガティブな感情が反抗挑戦性障害やうつ病などの二次障害をひきおこすリスクを高めてしまいます。

ADHDの人は自尊感情を持つことが大切

自信喪失しやすいADHDの人は、家庭や学校、会社などでもミスや失敗続きになりやすものです。

そして自分自身を「ダメだ」と自己嫌悪に陥りやすいのですが、ADHDの人にとっては自尊感情を保つことが大切です。

ADHDの人が自尊感情を保つためには、自分の存在を認めてくれる人、受け入れてくれる人、褒めてくれる人など、サポートしてくれる人の存在が大切です。

努力不足と誤解されることが多いADHD

ADHDの人は、知的障害がないこともあり、日常生活での支障がそこまで大きくならないことも少なくありません。

今でこそADHDの理解が少しづつ広がってきてはいるものの、まわりの人から「さぼっている」「なまけている」「努力しない」と誤解されることも少なくありません。

不注意、多動性、衝動性といったADHDの特性のため、周囲の人間関係でもトラブルを起こしやすく、「自己中心的」「自分勝手でわがまま」と批判されることもあります。

ADHDは本人の努力不足や親の育て方が原因ではない

ADHDは、本人の努力が足りなかったり、意志が弱いことが原因ではありません。また、親の子育てやしつけに問題があったからということでもありません。

ADHDの人の、集中できない、気が散漫になる、落ち着きがない、忘れっぽい、などの特性を十分に理解し、責任を本人や親に押し付けることは間違っているのです。

ADHDは治療で治すものではない

ADHDは、風邪などの病気とは違い、治療して治すものではありません。

生まれつきの脳機能のかたよりが原因と考えられているADHDは、病気よりも個性に近い位置付けとなり、その特性を否定することは「その人らしさ」を否定することにもつながります。

また、治療薬で脳機能の偏りを完全に改善することは現段階ではできないため、「ADHDは治るもの」ともいえません。

そのため、忘れ物が多い、物をよく失くす、集中力が続かない、人間関係での問題が多いなど、ADHDの特性による問題がある場合には、何かしらの対処法が必要になります。

ADHDの対処法については、一時的に集中力が続くようにするために薬を飲んだり、気が散りにくい環境を整えたりすることも効果的です。

ADHDを理解し、サポートしてくれる人がいることで、ADHDがあっても、日常生活に大きな困難を感じず過ごすことも可能になります。

◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修の「図解よくわかる大人のADHD(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。

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