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親・遺伝・虐待・いじめが境界性人格障害の発症原因になる?

境界性人格障害(ボーダーライン)を発症する原因には、いろいろな要因が考えられています。

そこで今回は、親の子育てや家族関係、遺伝要因、虐待、いじめ、と境界性人格障害の発症原因の関係についてまとめてみたいと思います。

親や家庭のせい?境界性人格障害の発症原因について

境界性人格障害の発症と、親子関係、家庭環境は密接な関係があるのではないかといわれています。

ボーダーライン(境界性人格障害)の心理的特徴でもある「見捨てられ不安」の対象は、母親であるケースが多いのです。

専門家の中には、「母子の愛着が充分に育まれていないと、子供は情緒的なトラブルを起こしやすくなる」と指摘する人もいます。

子供が見捨てられたと感じる母親のタイプは大きく2つあります。無関心なタイプと過干渉なタイプの母親です。

子供に無関心な母親だと、仕事が多忙、病気がある、夫婦中が悪いなど、母親側にもそれなりの事情があって子供への関心が薄れていることもあります。

また、過干渉な母親の場合、育児に熱心すぎる、まじめ、完璧主義で、母親自身は「子供を見捨てた」とは思っていません。ですが、過干渉タイプの母親が見ているのは、自分が理想とする子供であって、子供本来の姿ではありません。

どちらのタイプの母親であっても、子供は母親から充分な愛情を受け取っていないといえます。

父親に見捨てられたと感じている女性の境界性人格障害のケースでは、父親の代わりに年上の男性に魅力を感じやすかったり、援助交際をすることに抵抗を感じない例も少なくありません。

とはいえ、幼少期の親の育て方の問題だけが原因となって、境界性人格障害を発症するとまでは言えません。

ボーダーラインは親から遺伝する?

境界性人格障害(ボーダーライン)は親から子供へと遺伝するものなのでしょうか。

遺伝と発症原因の関係を研究した報告では、双子のボーダーラインの発症率から遺伝性を考察した結果、遺伝の影響はそこまで大きいものではない、とされています。

ボーダーラインの発症原因としては、遺伝よりも環境の方が重要な要因と考えられています。

ただ、感情の不安定さや衝動性などの気質や性格が親子で似ているということはありますが、ボーダーラインが親から子へと必ず遺伝するものとは考えられていません。

性的虐待も境界性人格障害の原因に

ボーダーライン(境界性人格障害)の人の多くは、子供の頃に親から虐待を受けていたケースが多いようです。

特に重症なケースでは、性的虐待の存在があります。

虐待には大きく4つの種類があり、①身体的虐待、②心理的虐待、③性的虐待、④育児放棄、に分類されます。

これら4つのどの虐待であっても、子供の心に大きな傷を残し、トラウマとなります。

本来、自分のことを愛してくれる、保護してくれる存在である親から受けた虐待の経験は、子供にとって衝撃的な見捨てられ経験となります。

赤ちゃんの頃から自分の存在を受け入れてもらえず、否定されてばかりの毎日が続くと、健全な自己イメージが形成することは困難です。

そして、大人に成長してから、また自分の子供ができてから、精神的に不安定になり、様々な問題が表面化してきます。

性的虐待は、子供が親や近い存在の大人から性関係を強要され、繰り返されるものです。

性的虐待の被害者は、男の子よりも女の子の方が多く、母親の再婚相手、内縁の夫、親戚など、実父以外の男性が加害者になる例が多いようです。

現代社会において、再婚や内縁関係が増えていることも、性的虐待の増加と関係していると考えられます。

性的虐待を受けた子供は、虐待の体験による負の感情だけでなく、母親から疎まれ、子供としての自分を失い、パーソナリティの形成にも悪影響が出てきます。

ただし、虐待と健全な自我形成の間には深い関係がありますが、虐待そのものが境界性人格障害(ボーダーライン)の直接的な発症原因とまでは言えない、というのが通説となっています。

いじめがトラウマもボーダーラインの要因に

いじめの体験は、一生の心の傷、大きなトラウマとなります。

いじめられる側には、誰も味方がいないこと、いつ誰がいじめる側になるかわからないことが、最近のいじめの特徴です。

クラスの全員から無視されたいじめの経験が、境界性人格障害(ボーダーライン)の特徴である見捨てられ不安の原因になったり、人間不信になることは、簡単にイメージできると思います。

いじめの体験は心の深い深い奥底に残り、一生大きなトラウマになってしまいます。

また、いじめられた経験そのものが心の傷にになるだけでなく、他の要因にも関係してきます。

例えば、いじめられて家に帰ったのに、親にあたたかく優しく接してもらえなかった、という場合です。親はいじめの出来事を知らないのに、「親から見捨てられた」と感じてしまいます。

また、友達から仲間はずれにされた女子中学生が、年上の男性に性的暴行(レイプ)されたことがきっかけとなって、境界性人格障害(ボーダーライン)を発症するというれいもあります。

いじめ問題の解決は複雑で大変難しいものです。いじめる側のリーダーが親から虐待を受けていた例もあり、簡単に解決できない問題もふくまれています。

◆この記事は、パーソナリティ障害臨床の第一人者である岡田尊司先生(岡田クリニック院長)執筆・監修の「ササっと分かる境界性パーソナリティ障害(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。

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