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医師に過剰な期待や巻き込むことも?境界性人格障害の治療

境界性人格障害(ボーダーライン障害)の治療において、患者本人は医師に過剰な期待を持ちやすく、いろいろなことを要求する傾向があります。

また、場合によっては、医師に期待したり、要求を訴えるだけでなく、医師も家族をも巻き込もうとするのです。

医師に過大な期待を持ちやすい

境界性人格障害(ボーダーライン障害)の人は、医師に多くのことを期待する傾向があります。

特に、家族関係について、「親に謝ってほしい」「うるさく言わないでほしい」「見捨てないで」など、親子関係を改善したい強い思いを、医師に訴えます。

家族に自分の思い通りに動いてもらえない場合には、医師に「家族をコントロールして欲しい」と思い、医師をも巻き込もうとしてしまうのです。

家族は自分の言うことは聞かないけれど、医師の言うことなら聞くのではないか、という心理があります。

本人と家族のくい違いについて

境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の患者本人と家族は、お互いに理解しあえず、次の例のように思いがくいちがうことがしばしばあります。

【本人の気持ち】
・家族は私のつらさをわかってくれない
・自分のことを見捨てようとしている
・自分を否定し、信用していない
・いつも見張って支配しようとしている

【家族の気持ち】
・この子は甘えているだけ
・わがままで自分勝手ばかり
・まわりのみんなが振り回されて困っている
・心配しているし、育て方の責任も感じている
・なんとかしてやりたいと思い、あれこれ世話を焼く

医師が巻き込まれてしまうことも

境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の治療では、患者本人、家族、医師が、それぞれの気持ちや思いを持っていますが、お互いの意見が食い違ってしまうことも少なくないようです。

患者本人の気持ち

医師は自分の味方。私の思いどおりに家族を動かしたい時、自分の助けになってくれる。家族も医師には一目おいているので、医師の言うことなら聞くはず。

家族の気持ち

境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の本人が、家族に文句を言ったりするのは医師のせい。親の育て方が悪いと責めてくるのも、医師がそういう原因があると言ったから。医師を替えたほうがいいかも。

医師の気持ち

医師は、患者本人、家族のどちらの味方というわけではない。本人と家族との関係をみていかなくてはならない。実際には、家族の言葉から本人の姿を理解する傾向があり、感情に影響されず、巻き込まれないように常に注意が必要だと思っている。

◆この記事は、パーソナリティ障害臨床の第一人者である岡田尊司先生(岡田クリニック院長)執筆・監修の「ササっと分かる境界性パーソナリティ障害(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。

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