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目次
患者が治療を拒否?境界性人格障害(ボーダーライン症候群)は治るのか?
境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の治療において、患者本人が通院や入院を嫌がり、治療を拒否する例も少なくありません。
そこで今回は、なぜ治療を拒否するのか、病院に行きたくない、通院や入院を嫌がる境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の心理や理由について書いてみたいと思います。
なぜ治療を嫌がるのか?【境界性人格障害/ボーダーライン症候群】
境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の患者本人が、治療を嫌がる例も少なくありません。
なぜ、通院や入院を患者本人が拒否するのでしょうか。
境界性人格障害の患者本人からすると「通院しても症状は良くならない」「医師に何も話せない」「入院したら自由がなくなる」などの理由が多いようです。
ですが、そのほとんどは誤解で、境界性人格障害(ボーダーライン症候群)患者の思い込みです。
境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の治療は、同じ精神科医のもとで続けることが回復への近道です。もちろん主治医との相性もありますが、一度通院を決めたら通い続けることが大切です。
通院や入院を拒否する理由例
境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の患者が治療を拒否する理由には、次のようなことが考えられます。
・医師に否定される
・治療してもどうせ治らない
・医師に何も話せないから意味がない
・隔離されるのが嫌
・入院すると自由がなくなる
・精神病院から一生出れなくなる など
これ以外にも患者本人の言い分は様々ですが、そのほとんどは思い込みや勘違い、誤解が多いようです。
退院を嫌がるケースも
通院や入院を嫌がり、治療を拒否する患者もいますが、逆に退院を嫌がる境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の人もいます。
その大きな理由は、退院後の「不安」です。
入院中は病院に万全な保護や援助があったが、退院すると社会に戻らなくてはなりません。
ですが、社会復帰する自信がない不安から「退院したくない」「入院しておきたい」と訴えるケースもあるのです。
また、退院が決定すると「もう世話をしない」と医師や医療スタッフから見捨てられたかのように思い込んでしまいます。
境界性人格障害の治療方法は?【ボーダーライン症候群】
境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の治療では、医師との面接やカウンセリングを中心とした精神療法をおこなうのが一般的な治療方法です。
また、社会療法、薬物療法、家族療法、家族支援もあわせておこなっていきます。
実際は精神科医による薬物療法の治療が多い
実際の治療現場では、境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の治療といっても、薬を用いた薬物療法がおこなわれることが多いようです。
不安、抑うつ、体調不良など、患者本人の症状に合わせて、精神科医が薬を処方しています。
境界性人格障害は治療が難しい?
境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の治療は、カウンセリング等の精神療法をおこなうにしても、患者ひとりひとりに対して精神科医が十分な時間をとれないケースの方が多いのが実情です。
境界性人格障害の負のスパイラルに陥ってしまい、悪循環を繰り返すばかりで、長期間にわたっても症状が改善しない、という例も多く、主治医の苦労も並大抵のものではありません。
多くの医師はまだ境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の治療に対応しきれておらず、治療を受けれる場所が少ないといわれています。
境界性人格障害(ボーダーライン)の入院治療の必要性
患者の症状や状態によっては、病院に入院して境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の治療をおこなう必要があります。
患者本人が嫌がっても、医師や家族の判断をもとに入院となることもあります。
例えば、自傷行為(リストカット)を繰り返していて生命に危険があったり、自殺未遂や自殺企図など死に至る可能性が考えられる場合です。
また、家族への家庭内暴力DVが発生していて、家族が疲れ果てているケースも入院が検討されます。
病院が入院を拒否することも?
逆に、病院側が境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の患者の入院の受け入れを躊躇する場合もあるのでしょうか?
というのも、境界性人格障害の患者がまわりの入院患者や医療スタッフを巻き込んで、トラブルを起こしてしまい病院が混乱状態になってしまうこともあるからです。
病院内の規則違反や入院中のリストカット、病院から逃げ出したり、文句ばかりでクレーマー化したりと、境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の患者の受け入れに躊躇する病院もあるのが実情のようです。
◆この記事は、パーソナリティ障害臨床の第一人者である岡田尊司先生(岡田クリニック院長)執筆・監修の「ササっと分かる境界性パーソナリティ障害(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。
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