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目次
ADHDとチック障害の併発も?強迫性障害やてんかんも多い?
ADHDと併発する障害の中には、チック障害や強迫性障害、てんかんも多いといわれています。
そこで今回は、チック障害、強迫性障害、てんかんの発症率やADHDとの併発割合についてポイントをまとめてみたいと思います。
ADHDとチック障害の併発も?
ADHDのを抱えている人の中には、チック障害を併発している割合も多いといわれています。チック障害には、運動性チックと音声チックの2つがあります。
・運動性チック(体の一部の筋肉が本人の意思とは無関係に動いてしまう)
・音声チック(本人の意思とは関係なく声が出てしまう)
チック症状の原因は明らかになっていませんが、トゥレット障害では特定の遺伝子に障害があるためチックを発症するといわれています。
この特定の遺伝子の中にADHDと関連が深い遺伝子と共通しているものがあると考えられており、ADHDの人がトゥレット障害を併発する確率は一般よりも10倍になるという調査結果もあります。
チック障害の発症率とADHDとの併発割合は?
チック障害の多くは、7歳〜11歳までに発症し、子供のチック障害の発症率は10%〜20%程度と言われています。
ほとんどのチック症状は発症から一年以内に回復する一時的なものですが、運動性チックか音声チックのどちらか一方の症状が一年以上が続く慢性チック、両方の症状が一年以上続くトゥレット障害もあります。
トゥレット障害の人がADHDを併発する割合は、50%〜80%という調査データがあり、トゥレット障害は強迫性障害との併発も多いといわれています。
また、ADHDの人が、トゥレット障害と強迫性障害の両方を併発している例もあります。
強迫性障害とADHDの併発も
ADHDの併発障害のひとつに強迫性障害があります。
強迫性障害とは、本人は無意味だと頭ではわかっているのに、強迫観念や強迫行為にとらわれてしまい反復してしまう障害です。
例えば、家の鍵をかけたか不安な気持ちになったり、ガスの元栓を閉めたか心配になり、何度も確認行為をしてしまうなどがあります。
普通であれば、一度確認をすれば安心するのですが、強迫性障害は確認した後でもまた極度に不安になり、確認行為をやめられなくなってしまうのです。
強迫性障害の発症率、ADHDとの併発割合は?
強迫性障害の一般的な発症率は2%程度といわれていますが、強迫性障害を発症していても医療機関を受診していないケースも多く、実際にはもっと多いと考えらえます。
また、ADHDの人が強迫性障害を併発する率は高いといわれ、強迫性障害の人のうち10%〜30%の割合でADHDの人がいるというデータもあります。
てんかんとADHDの併発も多い
ADHDと併存する疾患(障害・病気)のひとつに、てんかんがあります。
てんかんとは、脳の神経伝達の一部または複数の部位で神経の興奮状態が生まれ、意識を失ったり、けいれん、脱力などの症状があらわれる病気です。
てんかん症状が他の病気の併存障害としてみられるケースもありますが、はっきりとした原因は解明されていません。脳機能の一部に障害があることが要因となり、てんかん発作がおきるといわれています。
てんかんの発症率、ADHDとの併発割合は?
てんかんもADHDと併発しやすい病気といわれています。
てんかん発作をおこす人の脳波には「てんかん波」とよばれる特徴的な脳波がみられることが多く、ADHDの約15%の子供にもてんかん波がみられるというデータがあります。
また、てんかんのある子供の中にADHDを併発しているケースも多いようです。
てんかんの子供の約20%〜30%がADHDを併存しているという研究結果もあり、ADHDとてんかんは併発しやすいといえます。
◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修の「図解よくわかる大人のADHD(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。
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