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【大人のADHD】治療薬コンサータの効果は?|薬物療法

日本のADHD治療において、子どものケースではコンサータをはじめとする治療薬による薬物治療が行われるのが一般的です。

ですが、大人のADHDのケースにおける薬物治療はまだまだ定着しているとは言いがたく、今後の発展が望まれます。

【大人のADHD】治療薬コンサータの効果は高い?

子供のADHD治療において処方される代表的な薬「コンサータ」は、大人のADHD治療においてはどのような効果があるのでしょうか。

まだ日本国内でのADHD研究はそれほど進んでいるとは言いにくい状態で、海外の研究結果を参考にしてみると、大人のADHDのケースも子どものADHDと同様に薬物治療には一定の効果性があることがわかっています。

ADHDの代表的な治療薬であるコンサータの成分「メチルフェニデート塩酸塩」は、大人のADHDの場合でも80%程度の治療効果があるという研究結果もあります。

ADHDの研究が進んでいる欧米では、「ADHD治療において薬を使用しないリスクよりも、薬を使用する治療のリスクのほうが少ない」と言われ、コンサータ等の治療薬を用いた薬物治療は、ADHDの治療方法のベースとなっています。

ADHDの治療薬コンサータの7つの効果

ADHDの薬物治療で広く使用される中枢神経刺激薬コンサータは、主に次の7つの治療効果があります。

①気が散りやすい特性を抑え、集中力の持続、努力の持続ができる

②適切な状況において、注意を向けるべき対象に注意を向けることが可能になる

③ワーキングメモリーが活用できる

④課題に取り組む際。ゆっくりor急いだり、と作業速度の調整ができる

⑤効率よく作業するために、一定の速度を保って課題を実行することができる

⑥思い通りにいかなかったり、失敗したときでも、激しく動揺することなく、自分の感情をコントロールできるようになる

⑦自分の行動や言動について、自分でコントロールできるようになる

ADHDの合併症の予防効果も

ADHDの薬物治療の効果は、ADHD特有の症状に対してだけでなく、合併症を予防する効果もあるといわれています。

コンサータ等の中枢神経刺激薬を使った薬物治療を行ったADHD患者のほうが、薬物治療を実施しなかった場合よりも合併症を併発するリスクが低くなることがわかっています。

合併症の発症リスクをみてみると、うつ病や行為障害では3分の1程度にまで下り、強迫性障害は2分の1にまで低くなるという調査結果があります。

このような調査結果からも、ADHDの治療においては、処方薬を活用しながらADHD特有の症状を軽減し、また併発予防をしていくことが大切です。

ADHDの治療薬への依存リスクは?

ADHDの治療薬である中枢神経刺激薬(コンサータ等)は、依存性や中毒、薬物乱用の危険がある、という人も実際にはいるようです。

ですが、ADHDの薬物治療の研究では、薬を服用していたADHDの人よりも薬物治療を受けなかった人の方が薬物乱用になる確率が3倍高いという報告があります。

中枢神経刺激薬の依存や中毒のリスクがまったくないとはいえませんが、それよりも薬物治療をおこなわないことのリスクの方が圧倒的に高いといえます。

まだまだADHDの薬物治療には誤解が多い

日本では、ADHDの治療で薬を使用することに対して誤解や偏見も多く、薬物治療への対抗を感じる傾向が高いといえます。

医師や研究者など専門家の中でも「コンサータなどの中枢神経刺激薬は依存や乱用につながる」と考えたり、子供のADHDには効果が得られるが大人のADHDの効果はわからない、という誤解も多いようです。

ADHDの治療においては薬物治療がすべてということではありませんが、本人の努力や心がけではどうしようもないADHDの行動特性を、訓練や教育だけで改善することは非常に困難を生じます。

コンサータ等のADHDの治療薬を適切に服用し、加えて認知行動療法や環境改善法を行なっていくことが、ADHDの治療方法として最善かつ効果的な方法と考えられます。

◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修の「図解よくわかる大人のADHD(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。

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