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【ADHD】職場や家族の対応、ミスや失敗を責めすぎないこと

職場や家族のADHDへの対応において、まず大切なことは、注意散漫、落ち着きがない、衝動的な行動といったADHDの特性を理解することです。

また、ADHDの本人に対して、ミスや失敗を責めすぎるのではなく、苦手なことはサポートをして、ADHD本人の得意な分野で活躍できるような支援が望まれます。

まずはADHDの特性を理解すること【職場や家族の対応】

ADHDの人は、大事な用事や約束をうっかり忘れたり、人の話をちゃんと聞かずに勘違いしたまま行動したりと、ADHDの人は「トラブルメイカー」になりやすい資質があるといえます。

しかし、ADHDの人の周りの人が問題に悩むのと同じように、ADHD本人も自分ではうまくでいないことに悩んでいるのです。

ADHDの人がいる職場の周りの人や家族は、まずはADHDの特性について理解することが大切です。

ADHDの人が問題ばかり起こすのは、本人がさぼっていたり怠けているのではなく、努力不足だからでもありません。

生まれつき脳機能の偏りがあるために、注意力、集中力が続かない、落ち着きがない、といった特性をもつ障害なのです。

ADHD本人のミスや失敗を責めすぎない

ADHDの場合、不注意や多動、衝動性の特性から、うっかりミスや失敗の回数が多くなる傾向があります。

何回注意しても同じ間違いを繰り返してしまうことも、ADHDの人には頻繁にみられます。

職場や家族などADHDのまわりの人の対応ポイントとして、ミスや失敗を責めすぎないことが大切です。

ADHDの人は、子供の頃から学校の教師や親から叱られたり、注意される体験を数多く重ねてきていて、自分自身に対して「価値がない」「ダメ人間」とネガティブな自己イメージを持っているケースが多くみられます。

叱責や批判、非難が多くなってくると、ADHDの人にとってはまわりの人に受け入れてもらえない疎外感から、反抗挑戦性障害やうつ病など二次障害のリスクが高まってしまいます。

苦手なことサポートして得意分野を生かす

ADHDの人に対して、苦手なことを無理に克服させようとするのはあまり良い対応とはいえません。

ADHDの特性は、本人の努力や意思の力でどうにか改善できるものではなく、無理に克服しようとしてもあまり良い成果にはつながりません。

また、何回取り組んでも失敗ばかりでうまくいかない経験をし続けたADHD本人にとっても、大きな精神的ストレスになってしまいます。

家族や職場などまわりにいる人は、できる範囲でADHDの人の苦手なことをサポートしたり協力してあげた方がずっとうまくいきます。

雑務が苦手なADHDの人には雑務が得意な人がサポートして、その代わりにADHD本人の得意な仕事を担当してもらう、というように仕事を振り分けることができるとよいでしょう。

また、ADHDの人は家でも掃除や洗濯、料理など、家事全般ができない場合も少なくありません。家族で家事を分担してサポートできるとよいでしょう。

逆に、ADHDの人は、行動力があったり、企画力が優れていることも多く、本人の得意な分野で活躍してもらえるように環境を整えることが、ADHDへの望ましい対応といえます。

◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修の「図解よくわかる大人のADHD(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。

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