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【親の対応】自傷行為(リストカット)する子どもの対処法は?

境界性人格障害(ボーダーライン障害)の中には、リストカット等の自傷行為をする例も少なくありません。

親や家族の目の前で、リストカットで手首を切ったりすると「え、自殺かも?」と精神的なショックを受けるのも当然です。

つい「なぜ自傷行為(リストカット)をするのか?」と言いたくなるものですが、どのような対応をとればよいのでしょうか。

【親の対応】自傷行為(リストカット)する子どもの対処法は?

境界性人格障害(ボーダーライン障害)の患者がリストカット等の自傷行為をすると、親や家族など周りにいる人は精神的なショックを受けやすいものです。

では、自傷行為(リストカット)を目の当たりにしたとき、親や家族はどのように対応すればよいのでしょうか。

リストカットを見ても騒がない

境界性人格障害の患者が自傷行為(リストカット)をしたとき、周囲の人がうろたえたり、騒いだりしても、何の問題解決にもなりません。

逆に「批判されている」と境界性人格障害(ボーダーライン障害)の患者本人に思わせることになり、見捨てられ不安がさらに強くなってしまいます。

自傷行為(リストカット)の原因を探すよりも、傷の手当など今できることの方が大切です。

まずリストカットの傷の手当をする

リストカットなど自傷行為を目の当たりにしたとき、まず最初の親や家族の対応は「傷の手当をすること」です。

傷の深さや程度を調べ、必要な手当をしましょう。重傷で生命の危険があるかもしれない場合には、迷わず救急車を呼びましょう。

また、自殺リスクが高い場合には、入院の検討が必要になることもあります。

傷の手当が「体を大切にして」とメッセージになる

また、リストカット(自傷行為)の傷をしっかり手当をすることが、「自分の身体を大切にして」という間接的なメッセージにもなります。

「なぜリストカットをするのか?」と理由や原因を問い詰めるのではなく、「痛む?」と体について聞くようにして、時子どもをいたわるような、あたたかさ、やさしさを持って傷の手当をすることが、親の対応として望まれます。

本人の混乱している感情を静める

自傷行為(リストカット)の場合、本人も心理的に混乱状態にあったり、興奮していることも少なくありません。

精神的なバランスが乱れている状態に「なぜリストカットをしたの?」と問い詰めても答えることはできませんし、心理的に追い詰めてしまうことになります。

まずは本人の混乱している感情や興奮している気持ちをしずめ、精神的に落ち着かせるようにしましょう。

親や家族は落ち着いた対応を

子どものリストカット (自傷行為)に、親や家族は大きな精神的ショックを受けるものです。

自分に対する怒りや無力感を感じることもあることでしょう。しかし、子ども本人の気持ちと親の気持ちは別のもの、と分けてとらえることが大切です。

自傷行為(リストカット)を目の当たりにしても、あわてず、騒がず、落ち着いてあたたかく包み込んであげるような接し方が望まれます。

逆効果になるリストカット(自傷行為)の対応

自傷行為(リストカット)を目にした時、親が自然とする反応がかえって逆効果になってしまうことも多くみられます。

どのような親の対応、反応が逆効果になるのでしょうか。

なぜ?と質問攻めにする

誰でも「なぜリストカット(自傷行為)をするの?」と質問したくなるものですが、本人に理由を問いただしても「わからない」ことも多いです。

リストカットをする本人も、複雑な感情で何も言わずにただ泣いている、という例もあります。また、質問攻めは「責められている」と感じさせてしまい、逆効果になりかねません。

またか、という態度

最初のうちは「きゃー」「大変!」とあわてて騒いでいたが、リストカットが繰り返されるようになると「またか」という態度になりやすいものです。

自傷行為(リストカット)の対応で大切なのは、態度を変えないことが原則です。最初からあまり騒ぎすぎないように注意しましょう。

腫れ物にさわるような対応

リストカットをする子どもに気をつかいすぎるあまり「腫れ物にさわる」ような対応をしてしまう親もいます。

子どもの顔色をうかがい、言動に気をつけて自傷行為(リストカット)をさせないように、と親側は考えているのですが、心理的には子どもに支配されている状態になってしまいます。

心理的に子どもに支配されてしまうと、「何かあればまたリストカットをすればいい」と、相手を動かしたい、どうにかしたいときは、リストカットなど衝撃的な事件を起こせばいい、と本人が思ってしまい、自傷行為(リストカット)を繰り返すことにつながってしまいます。

自傷行為(リストカット)をする子どもに「普通に接する」対応が重要になります。

◆この記事は、パーソナリティ障害臨床の第一人者である岡田尊司先生(岡田クリニック院長)執筆・監修の「ササっと分かる境界性パーソナリティ障害(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。

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