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目次
【ADHD】併存障害とは?二次障害、合併症との違いは?
ADHDは、学習障害(LD)やアスペルガー症候群、うつ病や不安障害との併存障害が多いといわれています。
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ADHDにはどのような併存障害、合併症、二次障害があるのでしょうか、またこれらの違いは何なのでしょうか。
併存障害とは?ADHDでは70%の割合
併存障害とは、障害や病気を持っている人が、もともともっていた障害(併存症)や、後になって発症する障害(合併症・二次障害)を意味します。
ADHDについてのアメリカの調査結果によると、ADHDの子どもの中で併存障害がない割合は約27%となっていて、70%以上の割合で併存障害をもっていることが分かっています。
ADHDとの付き合いがまだ短い方である子供において、70&以上の割合で併存障害があるという多さなので、大人のADHDではもっと高い割合になることが想像されます。
ADHDの併存障害の種類について
ADHDの併存障害には次のような種類があります。
【併存症】
・LD(学習障害)
・自閉症
・高機能自閉症
・アスペルガー症候群
・チック症
・てんかん
・強迫性障害 など
【合併症(二次障害)】
・行為障害
・反抗挑戦性障害
・うつ病
・不安障害
・依存症 など
併存障害と合併症、二次障害の違いは?
併存障害、合併症、二次障害、これらの言葉はよく似ていますが、それぞれどのように違いがあるのでしょうか。
ポイントを簡潔にまとめてみると次のようになるようです。
合併症は元々あった病気や障害が更に病態が悪化したものを意味し、二次障害は既にある病気や障害へにさらに加わる障害を意味します。
また、併存障害は少し大きな概念となり、合併症、二次障害、併存症など全体を指す言葉として使われるようです。
併存症とは、病気や障害を発症したときにすでに併せ持っていた疾患を意味します。
併存障害の発症割合について
ADHDの併存障害(合併症・二次障害)の割合について、アメリカでの調査データは次のようになっています。
・反抗挑戦性障害&行為障害 31.6%
・不安障害 14.4%
・双極性障害 11.7%
・うつ病 10.5%
・LD(学習障害) 9.8%
・自閉症スペクトラム障害 4.8%
・チック障害 1.6%
併存障害が原因となり大人のADHDは気付かれにくい
ADHDの人は、不安障害やうつ病、LD学習障害や広汎性発達障害など、さまざまな併存障害になりやすい傾向があります。
子どものADHDの場合、併存障害(合併症・二次障害)があったとしても、発達障害であるADHDの認知度はかなり高くなってきているため、ADHDと診断されやすいといえます。
しかし、大人のADHDの場合は、ADHDの存在に気付かれないケースも少なくありません。
うつ病や不安障害など、ADHDとは違う病気や障害の症状が表面的に強くみられるため、精神科医であっても「ADHD」と診断するのではなく、うつ病や不安障害と診断し、治療をおこなうことになります。
うつ病や不安障害の根本的な原因となっているADHDに気付かれないケースが大人のADHDでは多くなりやすいのです。
表面的な症状であるうつ病や不安障害の治療だけでは、根本的な問題は何も解決できません。
併存障害の症状に隠れているADHDの症状に気づき、適切な治療が行われることが望まれます。
◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修の「図解よくわかる大人のADHD(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが編集を行っています。
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