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目次
違いは何?臨床心理学とカウンセリング、心理療法の現状について
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「臨床心理学」と「カウンセリング」って、何が同じで、どこが違うのでしょうか。
他にも「心理療法」と「臨床心理学」や「カウンセリング」はどう違うのか、混乱してしまう人も少なくないですよね。
そこで今回は、「臨床心理学」「カウンセリング」「心理療法」のそれぞれの違いについて、気になったので調べてみました。ぜひ参考にしてみてください。
違いは何?臨床心理学・カウンセリング・心理療法
日本では、「臨床心理学」と「カウンセリング」、「心理療法」の違いが曖昧にとらえられている傾向があり、中には
「同じものじゃないの?」というイメージを持っている人も少なくありません。
ですが、世界的にもれば、「臨床心理学」「カウンセリング」「心理療法」はそれぞれ別の学問として扱われているのが一般的です。
ただ、カウンセリングと心理療法においては、学派や流派などを意味する場合と、臨床心理学における「介入」のひとつのスキルという意味の、2つの意味があるといえます。
臨床心理学とは?
まず、臨床心理学について。
臨床心理学は、他の分野の専門職と協力して、個人と社会がかかえる問題の改善を目指す学問です。
臨床心理学の専門家である「臨床心理士」になるためには、幅広い専門知識と研究能力が必要になります。なかでも、心理学の専門知識の習得は必須です。
カウンセリングとは?
カウンセリングは、学問的には「教育学」に属し、人に対する広い領域のサポートを目的としています。
カウンセリングは、学問としての専門性よりも、カウンセラーの人間性が重要視されるのが特徴です。
心理療法とは?
心理療法は、精神分析などの特定の理論をもとに、その理論にもとづく実践活動を行う学問です。
心理療法には、様々な学派や流派が存在していて、独自に理論と技法を身につけることが前提になります。
そのため、大学などの総合的な学問を学ぶ場ではなく、民間の研究所やスクールでの教育が中心になっています。
3つの学問の違いについて
「臨床心理学」「カウンセリング」「心理療法」の3つの学問の違いについて、ポイントをまとめておきますね。
①目的の違い
まず、目的について。
臨床心理学は、精神的、情緒的、行動的、身体的な様々な問題の解決を目的としています。
それに対して、カウンセリングは、比較的苦悩が少ない(書状が軽い)クライエントの内面的な成長を促すことを主たる目的としている点に大きな違いがあります。
また、心理療法の目的は、クライエントの悩みや苦悩をやわらげ、問題を生じさせる人格の変化を促すことです。
臨床心理学は「問題解決」を目的としているのに対して、カウンセリングや心理療法は「クライエントの内面的な成長や人格の変化」に重点を置いている点が大きく違いますね。
②介入方法の違い
次に、介入方法の違いについて。
臨床心理学では、問題の傾向や特徴に合わせて、様々な技法を活用して心理的介入を行います。
それに対して、カウンセリングの介入方法は「共感的な面接」、心理療法はその療法を作り出した創始者の理論を遵守した介入方法になる点に違いがあります。後者の2つでは、カウンセラーやセラピストと、クライエントとの結びつきを重視することになります。
③特徴の違い
臨床心理学の特徴は、個人だけでなく、学校や企業など対象が様々であることです。また地域社会などのコミュニティにも関わってきます。
カウンセリングや心理療法は、主に個人が対象になる、という点に大きな違いがあります。またカウンセリングは専門性よりもカウンセラーの人間性が重視される傾向があり、心理療法では学派や流派によって理論や技法が変わってくることも少なくありません。
日本における臨床心理学の現状について
日本においては、「臨床心理学」「カウンセリング」「心理療法」の3つがそれぞれ混同されやすい、といえます。
その理由のひとつに、日本での臨床心理学が独自の発展をとげた、という歴史的な背景があります。
1980年以降、日本の心理療法の世界では、深層心理学を中心として学派が発展していました。ですが、心理療法を習得するには、長期間にわたる特別な訓練を受ける必要があります。
そのため、心理療法を身につけることは一般的には難しく、実情は、心理療法ではなくカウンセリングが行われてきました。日本では、「心理臨床学」という心理療法とカウンセリングとをあわせた独自の学問が発展してきています。
その結果として、日本では、臨床心理学との区別や違いがはきりとしないまま、心理呂方とカウンセリングとが混ざった形で発展し、欧米みたいにそれぞれの違いが明確にならなかったのです。
まとめ
・日本では、臨床心理学・カウンセリング・心理療法が混同されやすい傾向がある
・目的の違い
臨床心理学→様々な問題の解決
カウンセリング→クライエントの内面的な成長
や人格の変化を促すことを目的にしている
・介入方法の違い
臨床心理学→問題に合わせて様々な心理的介入技法
カウンセリング→共感的な関わり
心理療法→各療法の理論
・特徴
臨床心理学→対象は、個人、学校、企業、コミュニティ等
カウンセリング→カウンセラーの人間性が重要
心理療法→学派や流派によって理論や技法が異なる
この記事は、次の文献を参考に記事編集しています。
参考文献
・臨床心理学を学ぶシリーズ(東京大学出版会)
・よくわかる臨床心理学(ミネルヴァ書房)
・テキスト臨床心理学(誠信書房)
・臨床心理アセスメント入門(金剛出版)
・徹底図解 臨床心理学(新星出版社)
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